こころを弛ませる

 緊張の連続でコリ固まってしまった「こころ」を弛めようと、取り組む人々がいます。スポーツジムに通ったり、ヨガをやったり、瞑想や禅、岩盤浴やヘッドスパなど、リラックス方法はそれぞれです。

 しかし、天井のある場所で何かに集中していると、更に緊張を重ねてしまう心身的な性質を持つ人があることを知りましょう。

 

 梅雨目前の朝一番、山の農道を歩いていると、木々の葉の新緑が濃い深緑に変化していることに気付きます。アジサイも雨を待ち詫びて花を咲かせ、ウグイスはあちこちで鳴き声を上げ、小さい梅の実も地面に散乱しています。タチアオイが背を高く美しい花を付け、太陽に向かっています。川には鮎の稚魚が群れを成しています……。

 

 花の色・花の香り・風の音・鳥のさえずり・木々の葉の揺れる音・蝶の舞い・ツバメの飛行・川の流れ……季節は留まることなく変化しているのに、周囲の自然に眼を向ける時間さえ、無くしてしまっている人達。

 

 時には天井の無いところに出て「五感」にスイッチを入れて、何も考えず歩いてみませんか?何分間歩くとか、何キロ歩くとか、そのような窮屈なところは捨てて下さい。

 

 自然の空気に身を委ねて、肌で何かを感ずる余裕が生まれると、ふと心身から「浮いてくるもの」があります。頑なだった自分に気付いたり、ずっと一定の感情に捉われていたことに気付いたり……そこを大切にしていくのです……。