背骨で呼吸する

疲れた時、だるい時、心が不安定な時、からだに異常感がある時、気持ちがまとまらない時、静かに背骨で呼吸してみる。

腰まで吸い込んで、吐く方はだだ吐く。

特別に意識しない。

 

背骨で呼吸するといっても捉えどころがなく、理解できないという人がいるが、それを捉えた人は皆、活き活きとしてくる。

顔が以前と全く異なってくる。

腰が伸びる。

 

なぜだろう?

平素バラバラになっている心がひとつになるからかもしれない。

脊髄の生理的な働きが高まるのかもしれない。

 

ともかく、人間はこういう訳の分からぬことを、一日の内に何秒か行なうと気付きが起こる。

頭で分かろうとして努め、分かってから、分かったことだけを行なうということだけでは、いけないものがある。

 

自分のこころが静かになった時、自分のこころに聞いてみる。

からだで感じてみる。

 

野口晴哉

 

「温故知新」先人の遺した身体の使い方、からだの用い方を改めて実践してみましょう……!