我慢と忍耐

「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍ぶ……苦しさ辛さを簡単に顔に出すな!男なら笑顔で耐えろ……」

 

昭和の時代「根性」という言葉がもてはやされ、運動系・武道系クラブではシゴキといわれる練習や稽古が、随所で行なわれていました。

ある者は泣き出し、倒れ、ボロボロになって逃げて行きました。

 

自分の肉体的・精神的能力の限界を越え、ひと皮剥けて成長するためには、有意義な手段であったかもしれません。

 

やがて大人に成長し、会社や組織に就職して、家庭を持ち、守るものが出来ると「理不尽や憤り」に接しても絶えず我慢し、仕事を続けてきた方々をお見受けします。

気が付けは体調を崩し、入院や休職、転職を経験される方もあります。

 

「我慢」というものはいずれ爆発する、時限爆弾のようなものです。

我慢をしている人は、背中で我慢を背負っています。

背中でする我慢は、長く耐えるということが出来ません。

そこに無理があれば、同時に身体を壊していきます。

 

弾力のある腰を持てるようになると「忍耐」が出来るようになります。

何事にも動じない「肚」ができるのです。

嫌なものに捉われず、影響されず、受け流せる力が宿ります。

「忍耐」は時間の概念を忘れて、継続していけるものです。

 

頭で意識する力を緩め、深い呼吸をして、腰を立てて坐ってみましょう。

腰が反り、腰が入ってくると心身が変わってきます……。

 

 「我慢」と「忍耐」は違うものです。

 

自分が我慢を続けているのか、忍耐しているのか、違いを感じて下さい。

忍耐の出来る「からだ」を目指したいですね……。