命もいらぬ・名もいらぬ

西郷隆盛をして、

「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬという人は、始末の困るのもなり。この始末に困る人でなければ、艱難をともにして、国家の大業を成し得られぬなり」

と言わしめた”山岡鉄舟”という偉人がいます。

 

清水次郎長も「師」と仰いだ、剣と書そして禅を極めた達人です。

 

その修業スタイルも豪快無比、命懸けで徹底的に境地を目指す求道心は、凡人では真似の出来ぬところです。

 

今、この平成という御世で、現代人は平和と物質文明にどっぷりと浸かり、命懸けで物事に取り組むという精神や魂が、廃れてしまいました。

なんとなく生きていても、衣食住に有り付ける平和な環境と社会を、先人達が築いてくれたからです。

その影響か、自己中心的な思考や行動が、はびこる様にもなりました。

 

私自身、平和ボケしている一人として、自分の使命を内観する日々を過ごしています。「他人に対して優しく生きる」事でも、現代では自己主張や自己利益が優先で、難しいことかもしれません。

 

大きなことを成し得なくとも、人それぞれの器量に応じた生き方・目標を実感したいものです……。