老いを受け入れる

腰痛と肩こりでお悩みのFさん(50代:男性)が来院しました。

 

二年前に職場を依願退職され、2ヵ月前からアルバイトに通っています。

 

バイト先では新しく覚える事が多く、若い頃には簡単にやれたはずの仕事が、思うように出来ません。

 

何よりも、からだの変化に「不自由さ」を感じるようになりました。

 

まず、老眼が急に進んだことで、字が容易に読み取れません。

老眼鏡を掛けるようにしましたが、遠近感に戸惑っています。

 

簡単に覚えられたはずの仕事の段取りが、一度聞いただけでは頭に定着しません。同じことを、何度も聞きなおし、確認しながら、業務をこなしています。

 

勘違いや、思い込みから、小さな失敗も数多く重ねたと言います。

 

指導してくれる、20歳年下の先輩も、彼の覚えの悪さに呆れて、最近は冷たく、あしらわれている様に感じます。

 

真面目で誠実なFさんは「こんなにも、自分の思うように動けないなんて……」「俺は情けない男だ……ダメな人間だ」と、ご自分を責める方向に、頭が働きます。

 

からだと心を、ご本人が想像する以上に、固めてしまっています。

 

どうぞ開き直って、感情を抱く軌道を、少し変えましょう。

老いを感じても「これが俺だ!」と胸を張り、走って下さい。

 

真摯に一生懸命に取り組む、あなたの「うしろ姿」に自信を持って!

 

※このブログはFさんの承諾を得て、掲載しております。