猫も幼児も

赤ちゃんが誕生し、お兄ちゃん、お姉ちゃんになるお子さんがいます。

母親が新生児に手が掛かりっぱなしで、兄妹に気が行き届かなくなることは、よくありがちです。

「もう、お兄ちゃん、お姉ちゃんなんだから我慢して…、赤ちゃんが先で  しょう……。」

などと言われても、三~四歳児では、まだ理解できません。

 

先日、保護された生後二ヶ月位の子猫を家で飼い始めました。

すでに二歳半の「先住ネコ」がいたのですが、子猫の世話に意識が集中し、先住ネコが二番手になってしまいました。

 

 一週間ほどして、先住ネコが体調を崩してしまいました。

 

苦しそうにえずくようになり、排便も勢いがなく、食いしん坊が食事を摂れなくなりました。最初は子猫に気を掛ける素振りをしていたのですが、違う部屋に行き、隠れるようになりました。

 

小猫が来た早々、先住ネコがマウントの姿勢を取り、毛がむしれるほど噛み、後ろ足で引っかいたため、驚いて先住猫の尻を初めてはたいた事がありました。

後になって考えれば、これは猫同士の挨拶で、小猫に怪我を負わせるような気性の、先住ネコではありませんでした。

 

「しまった…!」と気付いた時には、先住ネコとの関係が崩れてしっまていました。

 

ネコの症状は「病気」ではなく、精神的不安から来ていることをすぐに悟ることができました。初心者の私には、まったく予期せぬ出来事でした。

 

「生きものとしての感情は、人間も猫も変わりはないんだ……」

 

飼い猫にも一般社会同様の序列があり、新入りは玄関先から生活を始め、徐々に先住ネコの住居空間に入って行かせるものです……とのアドバイスを受けました。

そして、先住ネコの前で一度、子猫を大声で叱りなさいと……すると上下関係がしっかりします……実践してみると、先住ネコの顔つきが変化し、態度も体調も、日に日に回復していきました。子猫はやんちゃなままです。

 

そして家庭内での優先順位を確立し、何でも先住ネコが最初、そして新入りは後という序列を実践しております。

 

さて本題である、幼いお子さんを抱えるお母さん、お父さんは、忙しさのあまり、幼児に対してお兄ちゃん、お姉ちゃんだから…という「大人の理屈」を分からせようとします。

「躾け」のつもりで言葉を掛けていますが、幼児にはまだ理解できません。

知らぬ間に幼児の「心」にキズを受けることもあるので、繊細さをしっかりと理解して、お子さんと接してください……。

 

お兄ちゃん、お姉ちゃんに今までと同じ、愛のある「気」を掛け続けて下さい!