パートナー

日常生活の中で、合理的な生き方が性に合い、物事を決定する際には損か得かに敏感で、計算尽くされた行動を、常としている人がいます。

利害に頭が働き、経済的感覚にも長け、段取りが得意な性格です。

 

BS「強欲時代のスーパースター(ドナルド・トランプ)」の映像を観る限り、トランプ大統領はこの資質を主体に生活している方です。

 

人間は利害損得を離れた「情」という感情を持ち、情に厚い・情が深い・情にもろいなど、心温かい感情や行為を有するものです。

お金では動かない「仁や義」の世界や「このまま放っておけない……」という心から出る優しさでしょう。

 

ある奥様が「さくらの花が生き生きとして素敵ね……」とご主人に声を掛けると「見れば分かるだろ……」と一言で片付けられました。一事が万事で、生活の中で「情」の温かさを感じず、奥様は離婚する道を選ばれました。

「釣った魚に餌はやらない…」という言葉も、この合理的な人を表現した言葉です。

 

からだを丁寧に観ていくと、特徴的に「情」という感覚にうとく、人の気持ちや心遣いを「汲む」ということに価値を置かず、「情緒に欠けた」一面を持っている資質があることに気付きます。

 

ある日、Eさんが不慮の事故で亡くなった同級生の葬儀に参列しましたが、成績優秀で大手企業に就職したエリート同級生も顔を出しました。

計算に長け、人に対して何となく冷たく、友人や慕う後輩が少ない彼は、帰りの偲ぶ会で「そんなに悲しいの…?何故そんなに落ち込むの…?」と級友に発言しました。

 

このような人を前にした時「怒りや憤り」が遮る前に、生まれもっている性質として「人の情や気持ちが理解し難い……」と思い浮かべることです。

本人に悪気があるわけではありません。情においての「色盲」と云えるかもしれません。

人生での中で経験や学習を重ねても、人に対する「情」や「感受性」というものが、なかなか育っていかない気質があるのです。

 

距離を置きたくなる様な人を、一歩下がって観察理解し、性質の長短を見極め、少しでもその人を「認める」という度量が自分の内に育つと、湧き上がる感情に振り回されずに済むようになってきます。

 

仕事や人生のパートナーを考える時、金儲けや損得に長ける人か、温かい情や信頼感を優先するのか、ご自分をもう一度見つめ直してみましょう…。