帯状疱疹をやりきる

Yさんは、どのような姿勢をとっても、お腹の水落ち辺りが痛み、就寝中も痛みが消えず、背中にも痛みが走る経験をしました。痛みが強くなり、我慢できないところで内科を受診しました。

筋膜疼痛」という診断でしたが、本人は無理な運動をしたり、体を動かした心当たりがなく、医師の言葉に違和感を感じていました。

 

どのような姿勢を取っても痛みが消えない場合「内臓疾患」を疑います。

 

三日後、赤い小さな発疹が胴体の片側に出現し、もう一度受診すると「帯状疱疹」という診断がされました。帯状疱疹の激しい痛みは、発疹が現われる前から起こり、医者も診断には苦労するようです。

 

発症する直前Yさんの状態は、仕事への不満や人間関係における我慢が「忍耐と憤り」の限界を越えた……と感じていたそうです。強いストレスが発症の引き金になることが分かります。

 

子供の頃に罹った「水疱瘡」のウイルスが体内の隠れていて、再び暴れだすことが原因とされていますが、整体的な考え方では、からだの免疫力を改めて高め、股関節を整え、更に丈夫な身体になる為の「通過儀礼」のようなものとして、病とは診ません。

 

水疱瘡(帯状疱疹)は本来、何もしなくとも安静にして、十日間くらいで水泡からかさぶたが出来て、約三週間ほどでかさぶたが剥がれて完治する病気です。

 

Yさんは薬に依存することを止め、自分のからだの「回復力」を信じ、勇気をもって自己治癒の道を選択しました。ここでは自己免疫力の高まる施術をして、自律神経を整えることに集中します。

 

激しい痛みと水泡が引くまで、耐えること約三週間、からだが自らを整えていく貴重な時間です。病気の回復を急ぐのではなく、身体の波に合わせて免疫能力が整うことを「待つ」という作業です。

 

Yさんは現在、今まで以上に心身が爽快になったと感じ、無事に職場復帰されております。「待つ」ことを実践された精神力に拍手です……。