炎天下の午後二時、久し振りに農道を歩いていると、刺すような日差しで梅雨明けを予感させました。
こんな暑さの中、さすがに歩く人はいないだろうと雲を見ていると、長い坂道を向こうから、七十代後半のご夫婦が息も切らさず登ってきます。
驚きの余り、心配になり「この暑さで大丈夫ですか?」と声を掛けると
「休日はいつも歩いていますので……」と涼しい笑顔。
天気予報やニュース番組では、水分補給や熱中症に注意して下さい……などとしつこい程に流れてきますが、この老夫婦には大きなお世話です。
年齢を重ねても、人間の身体は環境に順応する能力と、底知れぬ力が存在しています。
過保護になるのではなく、何よりも身体を使い続け、多少の痛みがあろうとも鍛え続けていくことが、命を全うし、身体を使いきる道であると感じます。
汗だくの私を横目に、小学生と中学生の兄弟二人が、勢いよく走り抜けて行きました……。
太陽を味方にしたその姿は、輝く命そのものです……。