頭痛と腰痛でお悩みのRさん(30代:女性)が来院しました。
中国武術の高段者で、日頃の鍛錬から、筋肉質でしなやかな柔軟性のある身体をお持ちでした。
新体操のアスリートのように180度開脚して、上半身がベタッと床に付きますが、意識しても筋肉を弛める事のできない状態でした。
こんなに柔軟性が高いのに、筋肉が弛まないって何?どういうこと……となります。
スポーツや武道で「脱力体」とか「自然体」などと表現される身体は、筋肉が弛むことだけでなく、からだの芯から弛んでいること、こころもその人が抱く感情に、捉われていないことです。
Rさんのシルエットは「いかり肩」で、これは日常生活における何らかの緊張や、頭の使いすぎを表しています。力を抜いて肩を落したつもりでも、からだの中心である背骨の滞りが抜けません。
精神的な悩みや感情は、無意識にからだを固めてしまう、典型的な症例です。
多忙なお仕事や複雑な人間関係に置かれても、おおらかな「童心」を持つご自分を思い起こす、取り戻すことが、からだを緩め、自然体を得る近道なのかもしれません……。
※このブログはRさんの了承を得て、掲載しております。