腰痛と肩こりでお悩みのAさん(50代:男性)が来院しました。
Aさんは腕の良い調理師として、大きなホテルで料理長などを任せられてきた方でした。
雇われていたホテルが倒産し、違う会社からの引き抜きで、現在の調理場に立つ事になりましたが、経営方針も調理場に落される予算も以前とは違い、自分の腕を存分に振舞えなくなりました。
また経営者との関係も、充分な意思疎通ができず、不満を抱えながら生活している状態でした。
こんな状態ならば、独立して自分の店を構えた方が良いのではないか…。
一方で、幼い子供たちの事を考えると、雇われの身として、経済的に安定していた方がいいのでは……と悩んでおられました。
お身体を拝見すると、腰の筋肉の張りや痛みもさることながら、原因不明の蕁麻疹が両腕に出ていました。内科を受診しても、原因が分からないと云われたそうです。
東洋医学では「怒り」が肝を傷めると云います。
情に深く、敏感なAさんは、内在する「怒り」の感情が、表面である皮膚に顕著に表れています。人間の皮膚は、脳と深い繋がりがあります。
明るく感情豊かで、勢いのあるご自身を、存分に使いこなせる環境に身を置く事が、Aさんにとって、命を大きく使うことに繋がることだと感じさせられました。
※このブログはAさんの了承を得て、掲載しております。